⑤サクライジング8 成長の証

  • News & Topics
  • 2018.12.13

5月の結成式から始まったサクライジング8の挑戦も、いよいよ最初の関門が目前に迫ってきました。

夏を越したあたりまではメキメキと実力を伸ばし、余裕すら感じられたメンバーたちですが、実際のロボットゲームを前に、現実の壁の高さに焦りも感じていたようです。

最初の衝撃は、10月に行われた1泊2日の合宿でのことでした。
参加したクレファスのチームの多くが、次々とロボットゲームのミッションをクリアしていくのを目の当たりにしました。
それに引き換え、自分たちのロボットはどれひとつ成功させることができません。
あまりの実力差に、戦意を喪失したと素直に打ち明けてくれたメンバーがいたほどです。

しかし、この合宿はチームに良い意味での危機感と、それに伴う新たな結束をもたらしました。
実戦形式でのロボットゲーム、上手くいかないその状況は、メンバーの多くに惨めさと苛立ちを与えます。
機体の形状、プログラム、戦略…メンバーそれぞれに思うところはあるものの、それらが集約されることはなく、一貫性をもたないロボットが虚しく右往左往するだけです。
思わず、否定的な言葉や辛辣な言葉が口をついて出て来ます。

…初めてメンバー同士にぶつかり合いが生じました。
「なんでこうしないんだ!」「だからダメなんだ!」「意味ないって言ったじゃないか!」「 … 」
お互いが感情を露わにしたのは、この時が初めてでした。

それまでのメンバー同士の関係は、ある意味では礼儀正しく、しかし、ある意味ではよそよそしくもありました。
仲は良いのですが、本音を避けた遠慮しがちな関係…。
これは、初めて顔を合わせた全く知らないもの同士で結成したチームの弱点として、ずっと懸念のあったものでした。

合宿でのこのぶつかり合いは、その瞬間にはちょっとした「いさかい」だったかもしれません。
しかし、これ以降、少なくとも思ったことをお互いに遠慮せず主張できるようになりました。
会話が格段に増え、ときには議論も生じるようになりました。
心なしか、ロボットも生き生きとして見えてきます。

また、合宿直後はさすがに落ち込んだメンバーが多かったにもかかわらず、あっけらかんとして、ただただ楽しかったと話してくれるメンバーもいました。
合宿の様子を収めた写真や動画をDVDにまとめたものを「報告」として持って来て、うれしそうに見せてくれました。
自分たちの活動の様子はもちろん、他チームのロボットを動画に撮って「偵察」だと言ってみたり、食事の様子や宿泊した部屋までも写真に収めていました。
他のメンバーたちも、それを見ながら、このチームはすごかったとか、このロボットのここは自分たちも取り入れられるとか、ごはんはこうだったとか、誰かが寝言を言っていたとか、…結局は楽しかったようです。
力の差をまざまざと見せつけられはしましたが、この明るさはチームの最大の強みかもしれません。

ここから、ロボットは成長を始めます。
アイデアを実際にかたちにして試してみる技術力が身に付いてきたこともありますが、それ以上に、お互いに言葉を交わしつつ、ねらいを共有しながらロボット作りに取り組めるようになったことが大きかったようです。

11月には、再度、クレファスのチームが集まる日帰り特訓にも参加しました。
この時にも、やはり他のチームとの実力差にはかなりの開きがありました。
しかし、今回は現状に落ち込むことなく、足りていないのは何なのか、残り期間で何をすべきなのかを冷静に見つめ、しっかりと課題を持ち帰ることができました。

いよいよラストスパートです。

クリアを目指すミッションの種類を絞りました。
より精度を高めるため、ベースとなるロボットの形状を思い切って変更しました。
作業を効率化するために、グループに分かれて分担して準備を進めました。
アイデアが煮詰まると、グループを横断して協力体制を再編しました。
教室が空いている日に集まって自習形式で準備を進めた日もありました。
ロボットの調整がスムーズに進むように、早出をしてロボットのメンテナンスをしてくれたメンバーもいました。
上手くいくこともありました。
上手くいかないことはもっとありました。
何度も何度も何度も何度も…プログラムを修正しました。
みんなで束になって課題に挑戦しました。
こうして、ロボットとプログラムが完成しました。

ロボットゲーム準備の最終日、実戦形式で調整を繰り返し行いました。
まだ、100%上手くいくわけではありません。
しかし、可能な限り精度を高めています。

最後の最後のシミュレーション、自己ベストが出せました。
メンバー全員がお互いにハイタッチで喜び合います。
しかし、その最中にも冷静な一言が…。
「ちょっと待って! 本番で出来るかどうかだから!」

まさにその通り、「ロボットは生き物」、当日の調子を見極めて迅速に微調整を行わなければなりません。
本番でのチャンスは3回、しかし、同じことを3回繰り返していては成功は見込めません。
1回目の結果、ロボットの動きを踏まえて2回目までに再調整、2回目を踏まえて3回目と、気の抜けない過酷な一日が待っています。

そんな一日を楽しめたとき、それがチームの成長の証となります。

12月15日(土) 東京工業大学 大岡山キャンパス

サクライジング8 発進!

 

 

過去の記事はこちら




 


無料体験では、お子様にはレゴ®WeDo2.0や教育版レゴ®マインドストーム®EV3を使って、ロボット製作とプログラミングの体験をしていただくことができます。また、保護者様にはCrefusのカリキュラムや費用・月謝に関してのご説明をさせていただきます。

体験授業申込み